タイトル:群像 2024年8月号 | ||||
一挙掲載 | ||||
うつほ物語 須磨の寓居にうつほの首巻「俊蔭」のみ運び入れた光る君は、筆を通して七絃の琴の一族の歴史を絵に描きはじめる--。時空間が超凝縮されたとき、私たちはそこに物語の起源を見る。 | … | 古川日出男 | P5 | |
うつせみ 整形を繰り返すばあちゃんが目指すのは、どんな顔なんだろう。河川に囲まれた街で、辰子は鏡に映した自分を見つめる。 | … | 紗倉まな | P76 | |
創作 | ||||
残ること タケトに作るはずだったミートソーススパゲティの材料が、いまだに冷蔵庫にあるのが嫌で、春巻きの皮でラザニアを作っている。 | … | くどうれいん | P152 | |
オオカミの〔5〕 ろしあというクニの「ホン」を「チョウセイ」するために、わたしは「ナカのヒト」を知る準備をする。 | … | 高橋源一郎 | P164 | |
春の塩 わたしはすなわち彼女だから――。妊娠・出産をする彼女を、わたしは小さく見守っている。「普通」という言葉に押し込めるにはあまりにも苦しく、孤独な経験。中国最大の読書サイト「豆瓣」で、国内フィクション第一位に選ばれた『如雪如山』からの一篇。 | … | 張天翼 訳・解説 濱田麻矢 | P178 | |
晴、時々レモン雨 クラフト作家である真帆さんの工房を訪ねたぼくは、母が父ではない人の骨をメモリアルグラスにしようとしていたことを知る。 | … | 長野まゆみ | P192 | |
小特集・豊永浩平 | ||||
インタビュー 歴史からたぐり寄せる「言葉と響き」 群像新人文学賞受賞作『月ぬ走いや、馬ぬ走い』はいかにして生まれたのか。歴史といまを接続し言葉を紡ぐ、壮大な試みの出発点。 | … | 豊永浩平 聞き手:武田砂鉄 | P132 | |
書評 生を掘削(レペゼン)していく語り | … | 倉本さおり | P144 | |
本の名刺 ぼく(ら)の亡霊たち | … | 豊永浩平 | P147 | |
批評 | ||||
クイズが人生と交錯するとき――江藤淳、スラムドッグと「君のクイズ」 頭を悩ませ導き出した答えに、「ピンポン」と正解のブザーが鳴る。ゲームの勝ち負けを超えて、人生を巻き込むエンターテインメントである「クイズ」に秘められた、不遜な二面性とは。 | … | 田村正資 | P212 | |
解説翻訳 | ||||
英語版・巻末エッセイ 『軽いめまい』ケイト・ザンブレノ、訳: 西山敦子 『軽いめまい』英語版はニューヨーク・タイムズやアトランティックで紹介されるなど話題になっている。『ヒロインズ』の著者による解説エッセイを特別掲載する。 | … | 金井美恵子 | P223 | |
論点 | ||||
私たちは疲れ果てている――親パレスチナ運動と大統領選の行方 ガザでの停戦を求めて、若者たちが声を上げた。大統領選挙が迫るアメリカで、いま何が起きているのか。 | … | シェリーめぐみ | P238 | |
随筆 | ||||
半歩先のこと | … | 池谷和浩 | P130 | |
おじさんと鍼を打つ | … | 石島亜由美 | P150 | |
釜山、パヴェーゼ | … | 斎藤真理子 | P210 | |
続ける理由 | … | 西由良 | P248 | |
昼寝の後で | … | 長谷川ちえ | P286 | |
マイファースト宮崎駿 | … | 福田里香 | P318 | |
どんぐりとパジャマ | … | 山本ぽてと | P384 | |
私はこっち側? | … | 若林理央 | P450 | |
『文化の脱走兵』刊行記念書評 | ||||
「人間」 | … | 川上弘美 | P250 | |
本の名刺 | ||||
本の名刺 岸本佐知子 | … | P253 | ||
追悼・野口武彦 | ||||
三十七年後の「逝く花」 | … | 吉村千彰 | P256 | |
最終回 | ||||
養生する言葉 第13回 わたしはいつも死にたかった。約一年半前、この連載の原点となる文章はそう始まった。自分自身に手当てをし耳を傾ける。他者との境界に気がつき、対話のなかであなたに出会う。惑いながら、あなたは恢復の過程にある。 | … | 岩川ありさ | P261 | |
世界と私のA to Z 第28回 アメリカのZ世代の生き方や価値観から、絶望と未来が見える。地続きの私たちはこれからも考え続ける。 | … | 竹田ダニエル | P272 | |
言葉の展望台 第36回 私とあなたは社会を背負って向き合いながらコミュニケーションを続けている。新しい関係が生まれる可能性を信じて。 | … | 三木那由他 | P279 | |
連載 | ||||
世界は誤訳でまわってる 第 2回 | … | ブレイディみかこ | P288 | |
Wet Affairs Leaking 第 8回 | … | 阿部和重 | P301 | |
口訳 太平記 ラブ&ピース 外道ジョンレノンを根絶せよ 第 7回 | … | 町田康 | P309 | |
鉄の胡蝶は夢は記憶を歳月は彫るか 第72回 | … | 保坂和志 | P320 | |
小説を探しにいく 第 2回 | … | 小川哲 | P350 | |
習い事だけしていたい 第 2回 | … | 酒井順子 | P355 | |
ストーリーワイズ 第 2回 | … | 立川小春志 | P360 | |
西高東低マンション 第 3回 | … | 武塙麻衣子 | P365 | |
父たちのこと 第 3回 | … | 阿部公彦 | P370 | |
不浄流しの少し前 第 5回 | … | 鈴木涼美 | P386 | |
第ゼロ次世界大戦 第 6回 | … | 鹿島茂 | P391 | |
誰もわかってくれない――なぜ書くのか 第 6回 | … | 武田砂鉄 | P408 | |
デビュー前の日記たち 第 6回 | … | 宮内悠介 | P412 | |
天皇機関説タイフーン 第 7回 | … | 平山周吉 | P418 | |
日吉アカデミア一九七六 第 8回 | … | 原武史 | P433 | |
「宗教の本質」とは? 第 8回 | … | 釈徹宗 若松英輔 | P452 | |
セキュリティの共和国ーー戦略文化とアメリカ文学 第11回 | … | 新田啓子 | P457 | |
ハザマの思考 第11回 | … | 丸山俊一 | P468 | |
星になっても 第12回 | … | 岩内章太郎 | P479 | |
ゲは言語学のゲ 第13回 | … | 吉岡乾 | P486 | |
群像短歌部 第13回 | … | 木下龍也 | P496 | |
海をこえて 第11回 | … | 松村圭一郎 | P506 | |
文化の脱走兵 第21回 | … | 奈倉有里 | P514 | |
現代短歌ノート二冊目 第46回 | … | 穂村弘 | P527 | |
日日是(にちにちこれ)目分量 第48回 | … | くどうれいん | P520 | |
星占い的思考 第53回 | … | 石井ゆかり | P524 | |
文一の本棚 第13回 | … | 西村亨 | P530 | |
書評 | ||||
ジュリア・ブライアン=ウィルソン『アートワーカーズ 制作と労働をめぐる芸術家たちの社会実践』 | … | 菅野優香 | P534 | |
レスリー・シモタカハラ『リーディング・リスト』 | … | 小川公代 | P536 | |
第68回群像新人文学賞応募規定 | … | |||
執筆者一覧 | … | P546 |
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