タイトル:群像 2024年5月号 | ||||
短篇小説特集 | ||||
休暇と短篇。 大型連休。移動中、旅先で、家にこもって。どこからでも読んでほしい短篇小説の幸福。 | … | |||
三影電機工業株式会社社員寮しらかば 子供の頃から憧れていた寮生活を、二十八歳で送ることになった。念願叶って、ではなく、そうせざるを得なかったからだ。 | … | 今村夏子 | P7 | |
かわいい獣 自称スナフキンの恋人が、別れを切り出して消えてしまった。桃音は合鍵を持って彼の家に向かう。 | … | 片瀬チヲル | P28 | |
背 朝は、ベランダに出て煙突の煙を眺めてから出勤する。展示室のすべてをしまうまの目で見つづける。 | … | くどうれいん | P43 | |
魂ぎれ 幾千年の時をこえて、いまここで「あなた」と出会う奇跡。大切な家族をひとりずつ看取り、老いてゆく我が身も燃え尽きようとするそのとき、彼女に寄り添うのはほかでもなく――。 | … | 小池昌代 | P65 | |
いくつも数える 多趣味で人望の厚い五十歳の天道課長。その結婚は職場に波紋を呼ぶ。 | … | 高瀬隼子 | P88 | |
とうらい 大きな三毛猫と無口な黒猫、結婚して七年になる健人とここに暮らし始めて五年になる。些細な気がかりのことを思うと時々、夫との会話は少し嚙み合わない。 | … | 武塙麻衣子 | P114 | |
もう森へ行かない 顔も覚えていない実母の墓参りに向かうぼくは、「ぼく」の一人称をつかって話す一実さんと合流した。彼女が唄うメロディに涙がでるのはなぜだろう。 | … | 長野まゆみ | P126 | |
小特集 ルシア・ベルリン | ||||
ルシア・ベルリン、またふたたびの。 没後十年を経て「再発見」され、『掃除婦のための手引き書』が話題になった唯一無二の作家、ルシア・ベルリン。刊行準備中の新邦訳作品集『楽園の夕べ』(仮題)から三篇を先行公開。 | … | ルシア・ベルリン 訳・解説 岸本佐知子 | ||
日干しレンガのブリキ屋根の家 マヤがミュージシャンと再婚し、子供たちを連れて引っ越したのは、荒れはてた土地に建つ古い家だった。 | … | ルシア・ベルリン 訳・解説 岸本佐知子 | P141 | |
オルゴールつき化粧ボックス 当たりの名前を買った人が化粧ボックスをもらえるくじつきカード。七歳のわたしとホープは、家を一軒ずつまわってカードを売った。 | … | ルシア・ベルリン 訳・解説 岸本佐知子 | P158 | |
妻たち 彼にかなう男に会ったことある? デッカとローラが酒を飲みながら話すのは、二人がかつて結婚していたマックスについてだ。 | … | ルシア・ベルリン 訳・解説 岸本佐知子 | P173 | |
中篇一挙 | ||||
オートマタ・シティ 行政監査院監査官補のコマツは、過去に立ち消えになったはずの「新東京特別市」計画の調査を命じられる。一つの文書を追った先に見えたこの国の正体――。 | … | 砂川文次 | P188 | |
対談 | ||||
ヤングケアラーの哲学 中村佑子×村上靖彦 語りの「読み」の方法から、レヴィナスの自己論まで。一般化できないヤングケアラーの問題に、私たちはどう向き合うべきなのか。 | … | P310 | ||
休暇と随筆。 | ||||
イボが治らへん | … | 大阿久佳乃 | P186 | |
熱のない赤 | … | オカヤイヅミ | P308 | |
やさしい手と痛い手 | … | 頭木弘樹 | P332 | |
私はずっと春の部屋 | … | 君島大空 | P362 | |
花壇の思い出 | … | 鈴木咲子 | P386 | |
かんぴょう巻きを、ひとくち | … | チヒロ | P416 | |
リズムから考える小説 | … | つやちゃん | P436 | |
殴られても目をつぶらない | … | 土門蘭 | P520 | |
アマチュアリズムと成熟 | … | 西森路代 | P494 | |
勝手口からのぞく政治の世界 | … | 宮原ジェフリー | P562 | |
チューニング。 | … | 向井慧 | P580 | |
液体への羨望 | … | 務川慧悟 | P594 | |
すかいらーくのコーンポタージュ | … | 山内朋樹 | P608 | |
不定期エッセイ | ||||
いま、球場にいます③ NPBのシーズンオフは、台湾で開催されたアジア野球選手権大会へ。季節は流れ、日本プロ野球のキャンプ情報を追う。そしていよいよ球春到来――。 | … | 高山羽根子 | P334 | |
本の名刺 | ||||
本の名刺 | … | 中村佑子 | P328 | |
最終回 | ||||
野良の暦 第19回 京都・大原での農業見習いをまもなく終え、故郷の千葉へ。修業の日々を綴ったエッセイ完結。 | … | 鎌田裕樹 | P340 | |
チャンドラー講義 第12回 フィリップ・マーロウを世に出し、シリーズを書き続けた孤独な作家は、『ロング・グッドバイ』以降をどう生きたのか。 | … | 諏訪部浩一 | P346 | |
連載 | ||||
Wet Affairs Leaking 第 5回 | … | 阿部和重 | P364 | |
無形 第11回 | … | 井戸川射子 | P368 | |
B 第 7回 | … | 松浦寿輝 | P377 | |
鉄の胡蝶は夢に記憶は歳月は彫るか 第69回 | … | 保坂和志 | P388 | |
不浄流しの少し前 第 2回 | … | 鈴木涼美 | P418 | |
第ゼロ次世界大戦 第 3回 | … | 鹿島茂 | P422 | |
誰もわかってくれない――なぜ書くのか 第 3回 | … | 武田砂鉄 | P438 | |
デビュー前の日記たち 第 3回 | … | 宮内悠介 | P442 | |
天皇機関説タイフーン 第 4回 | … | 平山周吉 | P458 | |
日吉アカデミア一九七六 第 5回 | … | 原武史 | P474 | |
「宗教の本質」とは? 第 5回 | … | 釈徹宗 若松英輔 | P489 | |
ハザマの思考 第 8回 | … | 丸山俊一 | P496 | |
セキュリティの共和国ーー戦略文化とアメリカ文学 第 9回 | … | 新田啓子 | P506 | |
星になっても 第 9回 | … | 岩内章太郎 | P522 | |
ゲは言語学のゲ 第10回 | … | 吉岡乾 | P530 | |
養生する言葉 第10回 | … | 岩川ありさ | P538 | |
言葉と物 第 7回 | … | 福尾匠 | P548 | |
海をこえて 第 9回 | … | 松村圭一郎 | P564 | |
群像短歌部 第11回 | … | 木下龍也 | P570 | |
星沙たち、 第11回 | … | 青葉市子 | P582 | |
世界の適切な保存 第23回 | … | 永井玲衣 | P586 | |
言葉の展望台 第33回 | … | 三木那由他 | P596 | |
世界と私のA to Z 第25回 | … | 竹田ダニエル | P601 | |
現代短歌ノート二冊目 第43回 | … | 穂村弘 | P613 | |
日日是(にちにちこれ)目分量 第45回 | … | くどうれいん | P616 | |
星占い的思考 第50回 | … | 石井ゆかり | P610 | |
〈世界史〉の哲学 第156回 | … | 大澤真幸 | P620 | |
書評 | ||||
稲垣 諭『「くぐり抜け」の哲学』 | … | 澁谷知美 | P636 | |
第67回群像新人文学賞予選通過作品発表 | … | P640 | ||
第68回群像新人文学賞応募規定 | … | |||
執筆者一覧 | … | P642 |
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