タイトル:群像 2023年 7月号 | ||||
一挙掲載 | ||||
列 その列は長く、いつまでも動かなかった、しかし、私はその列から出ることができない。研ぎ澄まされた文章で人間の欲望の奥を見つめる、著者の新たな代表作。 | … | 中村文則 | P6 | |
新連載 | ||||
無形 みんなこんなに目を凝らして、ものと対峙しているのだろうか。海沿いの古い団地で暮らすオオハルの目に映る人々のいとなみと風景。この世界にひそむ詩情にまなざしをむける、新芥川賞作家の初連載。 | … | 井戸川射子 | P76 | |
特集 「論」の遠近法2023 | ||||
新連載 養生する言葉 あまりにも衝撃的な出来事を体験した時に生じる精神的外傷。靄がかかったまま、しかし強烈にそこに「ある」トラウマを捉えるために。物語と出会い、生を養う言葉を探す、やわらかな気配で生きのびを支える試み。 | … | 岩川ありさ | P88 | |
新連載 メタバース現象考 ここではないどこかへ メタバースとは単なるバズワードではない。その背景には、古代から現代に到るまで反復されている「根源的な欲望」が胎動している。 | … | 戸谷洋志 | P98 | |
新連載 僕と「先生」 「先生」は僕のことを<若い友人>と呼んだ。師弟関係を忌避しながらも「先生」であり続けた加藤典洋とは、いったい何者だったのだろう。 | … | 長瀬海 | P110 | |
新連載 言葉と物 批評とは<もっとも自由な散文>である。だから僕もここであたうかぎり自由に書くことにする――。思想の現在を問う新連載。 | … | 福尾匠 | P123 | |
新連載 海をこえて 国境をこえて移動するとはどういうことか。長年調査で接してきたエチオピアの人々の経験をふまえ綴る、フランスからの報告。 | … | 松村圭一郎 | P135 | |
批評 生殖するアンティゴネー――大江健三郎『水死』における人工妊娠中絶と戦争 共同体と家族の対立という上演への批判と再批判――『水死』というテクストの錯綜する論理を追う。 | … | 石川義正 | P141 | |
批評 見えない存在になること――なぜ、今、再び「オリエンタリズム」なのか これまで充分に表象されてこなかったマイノリティ・グループを可視化すること――、そこに潜む「観察者」の特権性とエゴを見逃してはならない。政治性のなかで≪表象による正義≫を問い直す。 | … | 河南瑠莉 | P159 | |
批評 文学ノート・大江健三郎 第五回 Ⅱ 沸騰的なような一九七〇年代――大江健三郎/蓮實重彦 「小説の言葉」(大江健三郎)と「言葉の肉体」(蓮實重彦)の同時代性とは何か。 | … | 工藤庸子 | P171 | |
批評 空間という葛藤――岡崎乾二郎≪Mount lda――イーデーの山(少年パリスはまだ羊飼いをしている)≫ 巨大な複数の力がそこに干渉するかのような、ねじり、反転、切断、置換、移動と、その動きに反発する物質的な力の拮抗――。彫刻から「パブリック」の意味を考える。 | … | 沢山遼 | P196 | |
ロング書評 我が唯一つの望みに 村上春樹『街とその不確かな壁』長篇書評 村上春樹作品との出会いがきっかけとなり、日本語を学んで比較文学研究に進んだ著者による新作長篇評。デビュー作から一貫して見られる「完璧性」への志向と「言語の不完全さ」から読み解く。 | … | 邵丹 | P209 | |
批評 | ||||
空海〔11〕 空海に求められたのは、桓武の息子たちの間に蒔かれた「悲劇」の種子を取り除くことだった。 | … | 安藤礼二 | P284 | |
創作 | ||||
帰れない探偵 雨季の始まりの暑い街で ここはずっと夏の国。探偵の「わたし」は研究者に依頼されて四十年前のとある事件を調査する。 | … | 柴崎友香 | P224 | |
ながれも 月明かりと花の香のせいか、愉快に朦朧とする意識の中、木山の前に現れたのは懐かしい川であった。 | … | 沼田真佑 | P240 | |
新連載・New Manual | ||||
永遠の唄 固定観念を疑い、既存の価値観をアップデートする「文×論×服」のクロスオーバー。 | … | 町田康 | P254 | |
『口訳 古事記』刊行記念 | ||||
インタビュー ふることふみ――言葉の根源に近づく 町田康 日本語の源泉にあふれるエネルギーを、どうやって現在に接続するか。重層的な「語り」を通して、「古事記」の魅力に迫るインタビュー。 | … | 聞き手森山恵 | P268 | |
書評 | ||||
ファンキーな文体で綴る古事記 | … | 上野誠 | P279 | |
論点 | ||||
長寿と医療――frailtyから考える医の倫理 | … | 会田薫子 | P304 | |
最終回 | ||||
撮るあなたを撮るわたしを〔12〕 「自分で自分を撮る」、自撮り文化の画期性はどこにあったのか。現在の「写真」を語ることは、何について考えることなのか? スマホとSNS時代のあらたな「撮る/撮られる」論が完結。 | … | 大山顕 | P315 | |
コラボ連載 | ||||
SEEDS 現代新書のタネ 第16回 会社で働く人の自由と責任 構造的不正義と向き合う | … | 中村隆之 | P324 | |
連載 | ||||
B 第 2回 | … | 松浦寿輝 | P334 | |
タブー・トラック 第 5回 | … | 羽田圭介 | P342 | |
多頭獣の話 第10回 | … | 上田岳弘 | P372 | |
の、すべて 第18回 | … | 古川日出男 | P390 | |
鉄の胡蝶は歳月の夢に記憶に彫るか 第59回 | … | 保坂和志 | P409 | |
二月のつぎに七月が 第48回 | … | 堀江敏幸 | P437 | |
群像短歌部 第 1回 | … | 木下龍也 | P450 | |
チャンドラー講義 第 2回 | … | 諏訪部浩一 | P458 | |
星沙たち、 第 2回 | … | 青葉市子 | P470 | |
レディ・ムラサキのティーパーティー――姉妹訳 ウェイリー源氏物語 第 8回 | … | 毬矢まりえ 森山恵 | P474 | |
野良の暦 第 9回 | … | 鎌田裕樹 | P504 | |
「くぐり抜け」の哲学 第10回 | … | 稲垣諭 | P487 | |
文化の脱走兵 第10回 | … | 奈倉有里 | P508 | |
庭の話 第12回 | … | 宇野常寛 | P513 | |
世界の適切な保存 第15回 | … | 永井玲衣 | P526 | |
なめらかな人 第16回 | … | 百瀬文 | P532 | |
磯崎新(シン・イソザキ)論 第19回 | … | 田中純 | P540 | |
地図とその分身たち 第20回 | … | 東辻賢治郎 | P563 | |
言葉の展望台 第25回 | … | 三木那由他 | P558 | |
世界と私のAtoZ 第18回 | … | 竹田ダニエル | P567 | |
こんな日もある 競馬徒然草 第29回 | … | 古井由吉 | P574 | |
現代短歌ノート二冊目 第33回 | … | 穂村弘 | P585 | |
日日是(にちにちこれ)目分量 第35回 | … | くどうれいん | P578 | |
星占い的思考 第40回 | … | 石井ゆかり | P582 | |
国家と批評 第30回 | … | 大澤聡 | P592 | |
〈世界史〉の哲学 第148回 | … | 大澤真幸 | P606 | |
文芸文庫の風景 第31回 | … | M!DOR! | ||
随筆 | ||||
たるぴと影 | … | 青柳菜摘 | P220 | |
そして母になる | … | 卯城竜太 | P252 | |
クォーテーション | … | 大串尚代 | P302 | |
ミョーホントゥスケ化繊飛除去ジャージャーファイボワイパー | … | 上岡磨奈 | P332 | |
クレリエール | … | 菅原百合絵 | P448 | |
となりの国の人の名前 | … | 濱田麻矢 | P538 | |
コムデギャルソンと川久保玲 | … | 山田耕史 | P590 | |
第67回群像新人文学賞応募規定 | … | |||
執筆者一覧 | … | P626 |
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