タイトル:群像 2022年11月号 | ||||
新連載 | ||||
歩山録 夜明け前の新宿を出発した男は、奥多摩で登山道に入り、一週間の旅に出た。彼の足は、思索は、どこへ向かうのか。 | … | 上出遼平 | P6 | |
野良の暦 十年の本屋勤務を経て始めた農家見習い。畑の仕事を覚えるにつれ、見える風景も変わっていく。めぐる季節と日々の記録。 | … | 鎌田裕樹 | P176 | |
中篇一挙掲載 | ||||
見知らぬ人 夫の友人の結婚式に夫婦で参加することになっている。式に集まる旧友の中に、あの女がいるかもしれない―。 | … | 紗倉まな | P19 | |
蝶を追う 妻との齟齬に満ちた日常がルリユールの身振りで修復されるとき、穏やかな時間が流れ始める。 | … | 須賀ケイ | P57 | |
開墾地 母が出て行ったサウスカロライナの家には、ラッセルには分からない父の故郷の言葉が流れていた。自分は、故郷に帰るのだろうか。 | … | グレゴリー・ケズナジャット | P140 | |
創作 | ||||
マグノリアの手 子供だった頃、私と妹はもう一人の姉妹を想像の中でこしらえていた。マグノリアの手のように見える白い花は、私が失った白い左手の記憶を呼び起こさせる。 | … | 石沢麻依 | P182 | |
あのバーに入ってみた 下北沢で昔から営業しているバーに、ようやく足を踏み入れた。玲子が店を預かったのは、高木が離婚した十四年前だという。 | … | 片岡義男 | P195 | |
キウイ縞々 ジューススタンドでアルバイトをしているばみちゃんは、店長の志摩さんの分厚い皮の剝き方が気になって仕方がない。 | … | くどうれいん | P203 | |
買い増しの顚末 祖父が遺した紙袋の中には、大量のペンが入っていた。形見の行く末を決めるため、私は「ひすい」さんに連絡をとった。 | … | 津村記久子 | P215 | |
去年の今日 あの日から一年が経つ。帰宅した睦が未土里に差し出したのは、ひまわりの小さなブーケだった。 | … | 長島有里枝 | P224 | |
連作 | ||||
帰れない探偵 太陽と砂の街で 今から十年くらいあとの話。砂漠の国の巨大リゾートを訪れた探偵の「わたし」は依頼に忙しい。 | … | 柴崎友香 | P240 | |
エッセイ | ||||
エリザベス女王 ――唇を嚙み締めて 英国史上最長の在位を誇った女王の死。英文学者によるメモワール。 | … | 小川公代 | P256 | |
「不自由さ」のなかで書くこと――李良枝没後三〇年に寄せて ずっと日本で育った。ほとんど日本語で生きてきた。しかし、日本人としては、生まれなかった。小説家同士の時代を越えた共鳴―。 | … | 温又柔 | P264 | |
論点 | ||||
私たちは今、自由なの?――ジェンダー平等先進国の実態と課題 | … | 枇谷玲子 | P274 | |
『ベイビー・ブローカー』×『PLAN 75』からあぶり出される、「自己責任」の顚末 | … | 羽佐田瑶子 | P283 | |
「トランスジェンダー問題」を語り直す | … | 三木那由他 | P292 | |
鼎談シリーズ | ||||
松浦寿輝×沼野充義×田中 純 二〇世紀の思想・文学・芸術 第10回「エイティーズ―『空白』の時代」 ポストモダンとは何だったのか? ソ連崩壊で民主主義と自由経済は勝利したのか? ウクライナ侵攻の淵源でもある八〇年代、「空白」の諸相をめぐって。 | … | 松浦寿輝沼野充義 田中純 | P300 | |
最終回 | ||||
講談放浪記 第11回 歌舞伎と講談、ジャンルを超えて繋がり合う伝統芸能の幸福な関係。 | … | 神田伯山 | P332 | |
コラボ連載 | ||||
SEEDS 現代新書のタネ 第 9回 自殺してはいけない ショーペンハウアーとともに考える | … | 梅田孝太 | P337 | |
連載 | ||||
多頭獣の話 第 2回 | … | 上田岳弘 | P344 | |
の、すべて 第10回 | … | 古川日出男 | P358 | |
新「古事記」an impossible story 第12回 | … | 村田喜代子 | P377 | |
鉄の胡蝶は歳月に夢に記憶に彫るか 第51回 | … | 保坂和志 | P388 | |
「くぐり抜け」の哲学 第 2回 | … | 稲垣諭 | P414 | |
文化の脱走兵 第 2回 | … | 奈倉有里 | P425 | |
文学ノート・大江健三郎 第 3回 | … | 工藤庸子 | P430 | |
庭の話 第 5回 | … | 宇野常寛 | P465 | |
事務に狂う人々 第 6回 | … | 阿部公彦 | P477 | |
世界の適切な保存 第 7回 | … | 永井玲衣 | P494 | |
なめらかな人 第 8回 | … | 百瀬文 | P500 | |
文学のエコロジー 第 9回 | … | 山本貴光 | P508 | |
磯崎新(シン・イソザキ)論 第11回 | … | 田中純 | P521 | |
「後」(アフター)の思考 第 3回 | … | 石戸諭 | P534 | |
地図とその分身たち 第13回 | … | 東辻賢治郎 | P543 | |
世界と私のA to Z 第15回 | … | 竹田ダニエル | P548 | |
こんな日もある 競馬徒然草 第21回 | … | 古井由吉 | P570 | |
現代短歌ノート 二冊目 第26回 | … | 穂村弘 | P559 | |
日日是(にちにちこれ)目分量 第27回 | … | くどうれいん | P585 | |
Nの廻廊 第17回 | … | 保阪正康 | P562 | |
「近過去」としての平成 第32回 | … | 武田砂鉄 | P589 | |
星占い的思考 第32回 | … | 石井ゆかり | P556 | |
所有について 第18回 | … | 鷲田清一 | P574 | |
辺境図書館 第32回 | … | 皆川博子 | P596 | |
文芸文庫の風景 第23回 | … | 津田周平 | ||
極私的雑誌デザイン考 第30回 | … | 川名潤 | P594 | |
随筆 | ||||
シュノーケリング | … | 大森静佳 | P180 | |
美しい元素 | … | 草野理恵子 | P238 | |
石膏のヒポグリフ | … | 鯨庭 | P342 | |
近頃の大学生と略字 | … | 笹原宏之 | P412 | |
誰にとっての「青」? | … | 馬場靖人 | P506 | |
書評 | ||||
『嫌いなら呼ぶなよ』綿矢りさ | … | 武田将明 | P600 | |
『水平線』滝口悠生 | … | 福永信 | P602 | |
『自由が上演される』渡辺健一郎 | … | 山﨑健太 | P604 | |
第66回群像新人文学賞応募規定 | … | |||
執筆者一覧 | … | P610 |
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