タイトル:文藝2023秋号 | ||||
舞台は、戦争―。長編580枚一挙掲載 | ||||
生きる演技 魂だって、演技だろ 誰にも本心を見せない元天才子役の生崎と、空気の読めない凡才俳優の笹岡。高校一年生のふたりは、性格は真逆だが、同じように親を憎み、家族を呪い、そして「家族を大事」にというこの国が許せない。やがてふたりは「立川米軍捕虜虐殺事件」を文化祭で上演することを決意するが――。「自己演出」がデフォルトの現代を生きる者たちの青春を通じて、この国の空気に潜む暴力をあぶりだす、芥川賞、野間文芸新人賞の二冠に輝く著者による新たなる代表作。 | … | 町屋良平 | P8 | |
創作 | ||||
文藝賞受賞第一作 迷彩色の男 〈怒りは屈折する〉。―二〇一八年の冬、都内のクルージングスポットで二十六歳の男が暴行された姿で発見される。事件の背後に浮かびあがる〝迷彩色の男〟を描いた、最注目作家の第二作。 | … | 安堂ホセ | P180 | |
文藝賞受賞第一作 モモ100% 破滅的で自堕落で無計画な日常から一粒の宝石を探し出そうとする「モモ」のあくなき冒険と恋愛。「生き残り方は知っていて、生き方を知らない」十代がこんがらがる、愛すべき文体で綴られたデビュー第二作。 | … | 日比野コレコ | P240 | |
煩悩 安奈に対して確信めいた感情を持ちたかった。友達でも恋人でもないけれど、私たちはほとんど一つだったから。それなのに―。過剰に重ねる描写が圧倒的熱量を捻り出す、破壊的快作。 | … | 山下紘加 | P309 | |
特集・WE♡LOVE 藤本和子 | ||||
座談会 岸本佐知子×くぼたのぞみ×斎藤真理子×八巻美恵 片隅の声に耳を澄ませる 藤本和子と、同時代の女たちの闘い | … | P356 | ||
エッセイ お寿司を食べる人 | … | 柴田元幸 | P370 | |
エッセイ 塩は喉を、叫びが喉を | … | 井戸川射子 | P374 | |
短篇 | ||||
電気の水 ネット検索に魅入られた少年・藪内賢作。「とんでもなく気持ちいい」検索=脳うがいを中毒的に繰り返すうちに、自分という沼に溺れてゆくのだが……。 | … | 尾崎世界観 | P378 | |
恐竜 うららかな五月、子どもを保育園に送っていくももちゃんのパパと、ふいちゃんのパパ。ふいちゃんは「恐竜はいない」ことがどうしても腑に落ちなくて―。 | … | 滝口悠生 | P389 | |
文藝90TH SINCE 1933 | ||||
連続企画 3 鼎談 村田沙耶香×柴崎友香×西加奈子 どの年齢や時間にも、初めて見える景色がある 二〇〇〇年前後の同時代にデビューし、それぞれ活躍を続けてきた三人の作家たち。価値観が日々刻々と変化する時代の中で最前線の書き手が見てきた、この二〇年の景色とは。 | … | 村田沙耶香柴崎友香 西加奈子 | P398 | |
連載 | ||||
細長い場所 第 2回 気配と残像 | … | 絲山秋子 | P412 | |
京都という劇場で、パンデミックというオペラを観る 第 3回 | … | 古川日出男 | P420 | |
マリリン・トールド・ミー 第 4回 | … | 山内マリコ | P446 | |
ゆめ 第 5回 | … | 朝吹真理子 | P460 | |
トランス 第 7回 | … | 島本理生 岩崎渉 | P465 | |
JR常磐線夜ノ森駅 第 5回 | … | 柳美里 | P477 | |
ギケイキ 第41回 | … | 町田康 | P504 | |
書評 | ||||
金原ひとみ『腹を空かせた勇者ども』 | … | [評]山崎ナオコーラ | P522 | |
桜庭一樹『彼女が言わなかったすべてのこと』 | … | [評]竹田ダニエル | P523 | |
王谷晶『君の六月は凍る』 | … | [評]児玉雨子 | P524 | |
朝比奈秋『あなたの燃える左手で』 | … | [評]皆川博子 | P525 | |
若竹千佐子『かっかどるどるどぅ』 | … | [評]八木詠美 | P526 | |
カレン・ラッセル 松田青子 訳『オレンジ色の世界』 | … | [評]谷崎由依 | P527 | |
市川沙央『ハンチバック』 | … | [評]伊藤亜紗 | P528 | |
季評 | ||||
たったひとり、私だけの部屋で 小説と現実 2023年4月~2023年6月 | … | 水上文 | P514 | |
著者一覧 | … | P535 | ||
第61回文藝賞応募規定 | … | P530 | ||
連載 | ||||
文芸的事象クロニクル 2023年3月~2023年5月 | … | 山本貴光 | P533 |
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